「あ! なにこれ!」 仕事から帰ってきた夫の目の前にあったのは、ぼろぼろになった私の文庫本だった。モノを大切にする夫には、信じられない光景……であることはわかっていた。だからあえて私はすぐ目に付くカウンターキッチンの上にそれを置いていた。予想…
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