まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

第1話 ~偶然は必然~

職場で私がこれまでやってきたことすべてを否定されるできごとがあった。35年の人生で寝るまで涙が止まらなかったのは初めてだ。旦那さんの言葉も耳に入らない。重い夜を引きずったまま、いつもの電車に乗り、いつものようにFacebookを開いた。文章講座の仲間からグループメッセージが届いていた。「お昼に時間がある人へランチの誘い」場所は職場から徒歩3分。日付は今日。あんなことがあった日の翌日。一瞬迷った。私は笑ってみんなに会えるだろうか。けれど行きたい。指が参加のメッセージを押していた。くやしい気持ちは収まらないまま、集合場所に向かった。

 1時間のランチタイムが終わった。《その時は必ずくる》その言葉を胸に、私はまっすぐ前を向いて歩いていた。あんなに落ち込んでいたはずなのに、もう新しい一歩への背中を押されている。あぁ、これも不思議な体験の一つなんだと気づいた。偶然なようで、すべて私が引き寄せた必然だったんだ。行きたい。話したい。笑いたい。素直な気持ちは行動の波となり、私をそこまで運んでくれるんだ。行動には必ず理由がある。その人が気付いているかいないかに関わらず。気付いていれば必然。気付いていなければ、偶然で片付けられる。