まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

服を買うのをやめた。

わたしは洋服がだいすき!なぜなら、じぶんを表現できるから✨

最近、新しいスカートと靴を探している。夏に合うように、どちらもベージュ系。ちょこちょこ見て回っていたけど、お気に入りはまだ見つからず。

今日は夜風が気持ちいいな。旦那さんもごはんは外で済ますらしいし、ぷらぷら歩いてみようかな。いたずらっこが寄り道する気分で、どことなく歩いてみる。ここに入ろう。オトナ女子が集まるビル。お目当てはもちろん、洋服。いろんなマネキンちゃんが私にほほえみかける。一人のかわいこちゃんが手招きしているぞ。ちょっと見てみよう。

15分後。ベージュのレーススカートとベージュの履きやすくいスリッポンで、試着室から出てくるわたし。足元のワンポイントもいい感じ。これ、いい。値段もお手頃。なのに、安っぽさがない。脳の直感がいける!と言っている。買いたいな、買おうかな。だって、ほんとに安くていいもん。店員さんもいやみがない。試着室に戻る。ゆっくり着替えて出てきた。

やっぱり、一晩考えます。と伝え店を出た。今、最寄り駅に着いた。洋服は、食べ物みたいに必要なものでもないし、住むところほど重要でもない。独身ならまだしも…。などと言い訳をしてじぶんを納得させる。

私にとって、洋服はじぶんを表現するもの。私は何を表現したいか考えた。表現したいのではない。足りない何か埋めているのだ。今の私には足りないもの。今のじぶんでいい、と思う気持ち。家、片付けよう。