まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

親からの愛は、どれだけもらえれば充分なのか

愛が欲しい。愛をください。愛をもっと。歌詞によくあるフレーズ。愛は無償であるべきだ。特に親からの愛は。

わたしは長女。二つ下の弟と八つ下の妹がいる。両親は、わたしたちを育てていく上で指示をしたことはない。勉強も進学も、恋愛もアドバイスはあるが強制された記憶はない。誰からもめずらしいと言われる。ありがたい。そのおかげで、自由に生きてきた。幸せだ。

しかし、最近になって父や母からの愛が足りないのではと感じる。それは、自信をなくしているとき。人前でうまく話せない。仕事でイヤな目にあった。そんなとき、わたしには何が足りないだろうと考える。きっと努力が足りないのだ。もっとがんばらなければ。そう思えば思うほど、苦しくなる。もしかして、わたしには愛が足りなのか。そんな思いが出てきた。おかしい。わたしはこんなにも愛をそそいでもらったはずなのに。そんなはずない。そんなはずない。

一度わきあがった思いは、消えることなく今もここにある。わたしには愛が足りない。そう認めたらラクになるのだろうか。まだ答えはない。