もっともショックだったできごとを憶えておきなさい。きっとそれはあなたの役に立つから。
これから皆さんがこれから受けるであろう、一番大きなショックの事を一生大事に持って下さい。 忘れないで持っていて下さい。
これは手塚治虫さんの言葉です。亡くなる数ヶ月前に小学生の前でお話をされました。
「◯◯さんがいてくれたら、すぐできるのにな」
さっき、職場で上司に言われました。
固まりました。
同僚とふたりではじめての仕事を任され、たいした引継ぎもないまま手探りの作業。その先には全国のお客様がいる。失敗はできない。
月末までの最終確認をしていたところ、「?」が浮かぶ。どうしよう。わたしの確認の仕方が間違っているのかもしれない。何度も見返す。
やっぱりおかしい。ふたりで確認。最初から間違っていたのかもしれない。素直に上司に謝る。沈黙。再度、確認作業。
思っていたよりは被害が少ないよう。よかった。少しホッとした。「よかったぁ」ふたりで声が出た。その後、「いやいや、まだ確認は必要だやからな。これとこれを組み合わせて…」ホッとしたわたしたちは、あまり聞く気になれてなかった。そのとき。
「◯◯さんがいてくれたら、こんなのすぐなのにな」
休みを取っている社員の名前。
「……」
「じゃあ、その人呼んでくればいいじゃないですか」
「じゃあ、もういいですよ」
「それ、いいます?」
浴びせたかった言葉がいまになってでてくる。
これから皆さんがこれから受けるであろう、一番大きなショックの事を一生大事に持って下さい。 忘れないで持っていて下さい。
傷つけられても、傷つける人にはならない。
どんな人でも肯定できる人になりたい。
そう思った。
手塚さんは、タイトルのように、
もっともショックだったできごとは、かならず糧になる、と教えたかったはず。
だから、教えてもらったと思おう。
そして、アドラーを読もう。
悪いあの人とかわいそうなわたしで、こころをうめつくさないように。これからどうするか、それを考える。