一番大きなショックな事を一生大事に持っていて欲しい。悲しかった、わたしへ
悲しいできごとは、忘れたくても忘れられない。
ふっと思い出すことありませんか?
「なんで、わたしが」
「なんで、あんなこと」
「ほんとうに、腹が立つ」
もうあんな昔のこと忘れた、と思っていても、ふとした瞬間に思い出してしまうことがあります。
そんなときはたいてい、同じようなことが起こっていて、自分でも気づかないうちに、おなじような選択をしてしまいがちです。
忘れたと思っていても心は当時のことを、はっきりと覚えていて、
「あいつが悪い」
「あいつのせいで」
と、ムリヤリ封印しようとするあなたに警告を鳴らしています。
ほんとうにそれで大丈夫?
あなたは傷つかない?
ムリに忘れようとしなくていい。
皆さんが今までに受けた、あるいはこれから受けるであろう一番大きなショックな出来事を一生大事に持っていて欲しい。忘れないで持っていて欲しい。
これは手塚治虫さんが亡くなる数ヶ月前に小学生に話した言葉の一部です。
この言葉に出会ったとき、わたしも仕事で落ち込んでいました。忘れよう、忘れようとしてムリヤリポジティブに考えたり、思いっきり相手を憎んでみたり。
けれど、一時的には忘れたつもりになっていても、また同じような壁にぶちあたると、忘れていたはずの気持ちがバーンと破裂したようにでてきます。
だから、ムリに忘れようとしなくていい。
むしろ、忘れないでおこう。くやしいけれど。
なぜなら、それがあなたを守る方法だから。
忘れないのは、未来のあなたのため。
手塚さんは、小学生にこう言いたかったのではないかと思います。
じぶんが悪いんだと思わなくていい。
くやしくて、悲しい気持ちを体験してしまったのは、もうなくせない。でも、そうなったのは、あなたのせいではなく、たまたまそうなってしまっただけ。反省すべきことがあるならすればいい。
だけど、相手を憎んだり、思い込みだけで自分を責めても、次にもし同じようなことが怒ったとき、くやしさを閉じこめることしか思いつかない。それができなかったら、相手を傷つけたり、自分を傷つけたりするかもしれない。
手塚さんは、このあとに命を大切にしようと言って締めくくっています。
いいことも、わるいこともずっと続かない。この悲しさはいつ終わるかわからないけれど、次に起きたときに、そうだ、あのときこうだったから、次はこうしてみよう!って、相手でもなく、昔の自分でもなく、今の自分にいちばんたいせつなことを教えてくれる。
だから、ただ忘れずにおきなさいね、憎しみでもなく、責めでもなく。
一年前にも同じようなことを書いていました。
春は人事異動やクラス替え、転勤、転校など人間関係で悩むときなのかもしれませんね。
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