まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

上司よ、聞いてくれ。ほめられて伸びる人ばかりなんですからっ!

旦那さんが疲れています。

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昨日は晩ごはんを23時過ぎに食べました。土曜日の今日も出勤です。それなのに寝る前にわたしの足の裏をもんでくれました。足をもんでくれるのは次の日が休みの日と決まっていたのに、なぜ? と思いました。そして気づきました(勝手に)

 

 

旦那さんは誰かの役に立ちたいのだと。

 

 

やっても、やっても終わらない仕事。

 

今は育休中ですが、わたしも日付が変わるまで仕事をしていたことを思い出しました。深夜の仕事って気がめいる。なにやってんだろ感がハンパない。

 

昼間にラクしているつもりはぜんぜんないけど終わらない。やってもやっても。遅くまでやりたいわけない。はやく終わらせて家に帰りたい。ほんとうに。だけど終わらない。このスパイラル……思い出すだけでしんどい。

 

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そのひと言、があればむくわれる。

こんなやり方はいけないとわかっている。だけど、考えていても終わらない。先に進めるしかない。そんな気持ちが少しでもむくわれるのは、次の日に上司がほめてくれたり、センパイがねぎらってくれること。深夜残業でヘトヘトになって体は疲れていても、気持ちが軽くなる。

 

だけど次の日、そんなことなんてなかったかのように「やあ、おはよう、昨日は飲みすぎちゃってね。それで今日の会議なんだけど……」なんて言われた日にゃー、そのまま自分なんて溶けてなくなりそうな気がします。

 

疲れも消えてなくなってくれればいいのに、むなしさはどんどん増えるばかり。飲んでグチってもなくならない。そう、なくならないんですよ。

 

誰かがひと言、「すごいね」「がんばったね」「お前のおかげだよ」それさえ言ってくれたら違うのに。

 

 

だれかの役に立ちたいだけ。だから、「ありがとう」

 

わたしの足をもんでくれる旦那さんは何かを見つけようとしていました。一生懸命もみながら、「おれはこんもんじゃない、がんばったんだ、ムダじゃなかったんだ」と言い聞かせているようでした。

 

わたしが勝手にそう思っただけです。だから「ありがとう。疲れているのにごめんね」とだけ言いました。わたしの役に立ったと思えた旦那さんはすこしだけ満足しているように見えました。

 

ありがとう。

 

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きっとこのひと言だけでいいんです。たくさんホメてもらおうなんて思いません。もうオトナだから。そう、みんなオトナだからほめてもらえない。赤ちゃんだったら、ひとりで寝ただけでも、めちゃくちゃほめてもらえるのに。

 

上司にだけ言いたいのではありません。上司だってほめて欲しいはずです。だけど、自分の仕事のサポートをしてくれた部下に「ありがとう」と言えるのは、あなたしかいないんです。部下があなたに「ありがとう」は言えないでしょう? 

 

むなしさスパイラルは、ありがとうのひと言で消えてなくなります。だから、お願いです。あなたがどんなに疲れていても、やるせなくても、そんなときこそ誰かに「ありがとう」をお願いします。

 

今日、旦那さんが帰ってきたらお疲れさまじゃなくて、「おかえり、ありがとう」って言ってみよう。だれかが始めなきゃ。