フォローミー、私に従え。高校生の私へ。

冷蔵庫よりも冷たい空気から、あったかい部屋に入って、また冷蔵庫から出したばかりのビールを飲む。選ばれしお肉たちとともに。

美味しい。

幸せ。

そんな時間は、麻薬のように私のテンションを上げ続けてくれる。一人になって電気の消えた家に帰ったら、泣き疲れて寝た娘と、あやし疲れた夫が横になっていた。

幸せ。

家族がいる。

私が創った。

その夜も、また夢にうなされた。寝汗もかいていた。どれも幸せなはずなのに意識しないとテンションが下がってしまう。ほんとうは泣きたいのかな。娘は私の代わりに泣いてくれたのかな。めずらしいんだよね、こんな風に泣くの。

泣けばいい。

理由はなくとも。

それも幸せ。

仕事帰りの電車に揺られながら、そんなことを思っていると、高校生の私がいた。何がしたいかなんて、深く考えなかった。ただ、テストの範囲を勉強して、規則正しい生活をして、決めてもらった枠の中で、いいとされることをする。

それで良いはずなのに、むなしかった。考えることをやめていた私に、寄り添ってあげよう。

何を思ってる？

何でも思っていいんだよ。

これかな、て思うことをやっていいんだよ。大きい、小さいなんて関係ないんだ。あなたがやりたいこと、それだけでいいんだ。そのために生まれてきたんだ。

幼稚園の先生。

言葉。

教育とは？

心とは？

うん、そうだね、そうだね。

私は今、生きている。置き場のない心が落ちつく場所を探している。ただ、ほっとしたい。そうだね、と言ってあげたい。自分に。

過去の私にそう言おう。

ほら、未来の私が側にきてくれてる。

うん、それでいいんだよ。