まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

人間ってめんどくせぇ! ちがうか、私か!

「特別扱いしないで! フツーに見てよ!」

「私は特別! フツーと違うのよ!」

おなじ人間から出た言葉とは思えません。ごめんなさい、一日に何回もこの言葉を繰り返しています。そう、私です。

3ヶ月前に産まれた娘が、入退院を繰り返す日々。正直、私には縁のない世界だと思っていた。

かわいそう、大変だね。私も他人にそんな言葉をかけていたけれど、うわっつらなんだよね。当事者になってみないとわからない。

でもね、本当に大変なのは病気だからじゃない。家族がそれにあわせて仕事を休んだり、幼稚園の預かり保育の調整しなきゃいけなかったりすることが大変なんじゃない。

私の心が大変なんだ。

「どうしよう、まわりになんて思われるだろう」「同情されるなんて! この私が」「フツーの学校に行かなかったら、恥ずかしいな」

なんてことをグルグル考えているのに、顔はにっこり悟ったかのよう。心と体が一致してない。

じゃあ、本心は⁈

どっちが本当なの⁈

……。

どっちも本当。

つまり、他人には「特別じゃない。普通として認めてほしい」といいつつ、自分の中では「私にしかできない子育て。私はすごいんだ」と思ってる。

めんどくせぇ!!

人間って!

じゃなくて、私か!