まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

鼻からミルクを通していた一歳の娘がバナナを半分食べられるようたなったのは、

病院に行く、薬をもらう、それを飲み続けてもダメな時は別のお薬をもらう、それでもダメなら、その子が悪い。

そんな方程式で娘と生きることに疲れていた。ある人に出会って、娘を信じること、私の感覚に勇気を出して従うことを教えてもらった。そして、これまでと反対のことをやってみた。

目を開ける時間が増えた。ごはんを食べられるようになった。まっすぐな姿勢で眠れるようになった。嫌がることが減った。

月に一度、訪問にやってくる言語聴覚士さんが「感動だわ」と言って帰った。前回まで寝たまま、口の周りを触っても嫌がっていた子がバナナを半分食べられるようになったから。

ずっと証明できなかった方程式を京大の先生がやってのけたらしい。

娘の方程式は、いつか誰かが証明してくれるのだろうか。