まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

たった2時間で人生のテーマが見つかったら、残り525600時間がこわくなった【才能魅力診断】

「これを知ってしまったら、もう元には戻れないよ」と聞いていた。

才能魅力診断。

約3時間かけて、自分の魅力と才能がわかるというワーク。

1ヵ月前に予約をしてから、誕生日を待つ子どものように毎日カウントダウンした。

この2年、次女が産まれてからメイクをすることも、オシャレな服を選ぶことも、働いていたころの10分の1くらいになった。マスクを言い訳に日焼け止めすら塗らずに、娘のお迎えに行く私の顔はチャームポイントの目よりもシミのほうが目立ってきていた。

なのに今朝は1時間前から、パーティにしか着ていくつもりのないワンピースにメイク、zoom越しに見えるかどうかもわからないネイルもした。

予約時間ギリギリにzoomをつないだ先には、もう全員がスタンバイしていた。

みんなオシャレな服にメイクをしていたので、「私もやっていてよかった」と思ったし、ついに自分の才能と魅力がわかる日はみんなにとっても記念日なんだと思った。

夫や母親と、未来のことについて話すことはこれまでたくさんあったけれど、いつも感情的でいつも同じ結論になってしまう。

このワークに申し込んだ理由は、来年の1月で育休があけるのに保育園のあてがなく、障害児の娘を育てながら「自分でできることをやらなければ」という切羽詰まった状況がある。それをポジティブに考えれば、電車に乗って会社に行かないと仕事ができない働き方も、預かり保育の子どもを迎えに行ったあとにちらかったリビングを見ることも、なんとか変えたいと思っていたから、これはわたしの願いを叶えるためのチャレンジなんだとも言える。

いろいろはしょって結論をいうと、才能と魅力は2時間で見つかった。

相手の言う通りに書いていくだけだった。

私は自分の思いを言語化することが得意なので、ほかの参加者さんよりもたくさん書けた。たくさん書けることがいいことではないけれど、は過去、現在、未来の自分について、洗い出せる項目が多いと可能性も広がる。

たくさん書きすぎて、あとからきれいに清書してみたら、人生のテーマが見つかった。

「気持ちよく生きたい」

スタバやディズニーが好きなのも、子どもを頭ごなしに怒る親を見るのが嫌なのも、気持ちを文字にするのが好きなのも、ぜんぶぜんぶ自分んが気持ちよく生きたいからだった。

それがわかった今、残りの人生60年とすると525600時間が、とても生きやすくなるよね。じわじわワクワクきてる。スーパーで買い物するときも、ちょっと高いかなと思う化粧品が欲しくなったときも、ママ友とのランチに選ぶお店も、これから稼ぐ方向性を決めるときも、ぜんぶ「気持ちよく生きる」をテーマにすればいいんだ。

肩書も実績もあるのに自信がなかった私。

5年もウジウジしてきた私。

障害を持つ娘と外に出るのが怖くて閉じこもっていた私。

それはぜんぶ私と同じように悩むママへのエールとして役立てていけるんだと「人生のテーマ」を見つけられた。これから、どんだけ生きやすくなるんだと思ったら、おばあちゃんの自分が幸せそうすぎて怖いくらいだ。