まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

2019-11-05から1日間の記事一覧

本当のことは誰も言ってくれない。好きだけじゃダメなのね。

こんなはずじゃなかった……。 正直な気持ち。でも誰にも言えない。だって、望んで、望んで、病院にも通って産まれてきた子だもん。 「お母さんしかダメな時期がくるよ。きついよー」 「マジで何もできんよ」 育児には覚悟が必要だ。産んでからが大変だ。先輩…

娘よ、年齢に自由であれ、選択に幸せであれ!

お題「『選択』と『年齢』」 Sponsored by SK-II 理想の30歳は、母だった。 結婚して、専業主婦になって、子どもが二人くらいいて、それなりの生活をしている。ほわーんとではあるが、日曜日の朝に母が焼いてくれた、ふわふわのパンケーキのように甘くて、や…

やっぱり私、好きです! もうガマンしない、あなたのこと。

「なに、飲む?」と聞かれて、「もちろん、ビールです!」と即答できるわけもなく。なんせここは、義理の妹の旦那さんの実家だから。京都で旅館をしているそこは、100年近く前からあるのだそう。身内だけの改装記念パーティに呼ばれた。結婚してはじめて、本…

やっと開放されたと思ったのが間違いでした。社会で生きぬくことを思い知らされた日

「ダメ!」 ハイハイする娘の前に立ちはだかり、にらみつける男の子。言葉がわからない娘は、きょとんと見上げるだけで動こうとしない。私は「ごめんね!」と言って、さっと娘を抱き上げた。 ここはイオンモールの子ども遊びスペース。抱き上げた娘の下には…

ありのままの自分なんていない。そろそろ目を覚まそうと思う。

「……完璧主義なんですよね」 テレビを見ていて固まった。もっと優しい言葉を待っていたのに。相談した本人も、「あ、そうかも……」と納得しようとしていたけれど、目が笑っていなかった。 テレビで、最近結婚したモデルさんがスピリチュアルカウンセラーの江…

見えない未来は、びりびりの本から作られる

「あ! なにこれ!」 仕事から帰ってきた夫の目の前にあったのは、ぼろぼろになった私の文庫本だった。モノを大切にする夫には、信じられない光景……であることはわかっていた。だからあえて私はすぐ目に付くカウンターキッチンの上にそれを置いていた。予想…

「子どもはひとりでいいよね」娘が産まれて2週間。母が私に言った。

「子どもはひとりでいいよね」 娘が生まれて2週間。母が娘をあやしながら、ひとり言のように言った。ひとり言として聞き流すこともできた。だけどわたしは「そうやね」と答えてしまった。それは母の人生を否定することになるのに、言ってしまった。 わたしに…

私の夢は、黒柳徹子さんです! なぜなら、いつも・・・・・・!

「好きな芸能人は、黒柳徹子さんです」 いつもこう答えてきた。たぶん小学生くらいから意識していた。小学三年生くらいのときにSMAPがデビューして、「ねぇ、スマップって知ってる?」とマセた女の子に聞かれたけれど、スナップ写真か何かのことかと思ったし…

不器用すぎる父を許した日 

あみちゃんへ 父の日のプレゼントありがとうございました。京都での生活のリズムができたのかなと勝手に安堵しています。私は今までも自分のリズムで生活していたので変わりないと思っていましたが、意外にも今ぎこちない生活をおくっています。お母さん以外…

乳首が透けても、そこはパリコレのランウェイ

どんなに仲のいい友達でも、ひた隠しにしていることがある。 それは、わたしは家の中で着替えないということ。 パジャマと部屋着の区別がない。生まれたときからあたりまえで、パジャマという単語も知っていたけれど、朝起きたらパジャマを部屋着に着替える…