まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

不言実行なんて、かっこわるぅぅ。九頭竜さんからもらおうぜ、奇跡。

奇跡を持って望みを叶える

ゾワっっ

九頭竜大社でひいた十二番のおみくじ。九頭竜だし、9とか縁起いいなぁなんて思いは悠々に超えた。人間の小指の先くらいの想像力なんて、それ以上のものを宇宙は与えてくれるって言うけどさ、こんな感覚ぅ?

不言実行をモットーに生きていた学生時代、テスト勉強してなさそうなのに悠々に9割り超え、地元の国立大学に行きそうなのに、さらりと早稲田大学に指定校推薦。誰にも言わずにスマートに勝ち取る自分に惚れていた。

でも、それらはすべて一瞬のことで。

次の期末テストがやってくる。早稲田に行けば、まわりはみんなワセダ。なんの特別感もない。彼氏できない。就職もうまくいかない。とぼとぼ地元に帰るしかなかったけれど、そんな気持ちも不言。誰にも言わない。

社会人三年目でやっとできた彼氏もすぐに仕事を辞めて二人暮らしの7万円の家賃は私が払った。食費も。ふたりで遊びに行くことはなく、たぶん浮気だったね。私が浮気相手か。急に実家に帰ると言い出したから、冷蔵庫も洗濯機もとりあえずぜんぶ持っていってもらったが、それっきり。

そんな関係も、もちろん誰にも不言実行。それでも辛すぎて、お父さんに泣きながら別れたことを伝えたら、「よりを戻したいと言ってきても、お父さんはゆるさん」と言ってくれた。たぶん、そんなことはなかっただろうけどね。メールでは未練っぽい感じを匂わされたけれど、お父さんのおかげで、なびくことはなかった。どうせ、金だろ。心の決着はついていた。誰かに貢献している、いつか報われると思うことで、存在感を感じたいだけだった。

不言のまま、恋愛も結婚も、何も実行できなかった。

お父さんの前で泣いたあの日から、何日たっていただろう。2年くらいかな。その間に友達に紹介してもらった大阪の彼と遠距離恋愛。それは友達に「紹介して!」て言って実現したから、有言実行。

だけど、すぐにうまくいかなくなって、何度か再トライしたけどダメで。もう距離を埋めるしかない! て京都に転勤。コワー。ストーカー……。でもそれも、「京都がいい」て有言して実行。全国転勤どこでもいいわけじゃなかったからね。

転勤してからすぐに「彼氏ほしい」PR始めた。そしたら、婚活パーティー紹介してもらって、当日に「あの人に告白しようと思ってたのに……」て、つぶやいたら、隣にいた女の子が手をひいてお目当の人の前に立たせてくれた。それが旦那さん。

有言実行したら、ぜんぶ叶った。

私の人生、そこからうまく回り始めてる(希望が叶ってる)

娘も元旦に「申年の子を産む!」てホワイトボードに書いた年の10月に生まれた。まさにトツキトオカ。なんだそれ。カンタンすぎんだろ。

不言実行ってなに?

言ってダメだったときのカッコ悪さ? 望みを言わないほうが、よっぽどカッコ悪いと今は思う私なのだ。だって、そうでしょ? 現実がそう言ってる。

九頭竜大社さんにも「宇宙とつながります」て宣言したよ。そしたら、
奇跡を持って、望みを叶える

叶えてくれるってー!やったぁ!

望み、望み、望み。

素直な出していく、と宣言します。