「ほしいー！」「食べたいー！」100回は言った娘の結末。
「誕生日ね」
「今はない」
「今日、スーパーで買ってないでしょ」
「ドラえもんじゃないんだから、そんなに何でも出てこないよ」
「そうね……」
「……」無視。
諭されても、無視されても、
「アンパンマンのクレーンゲーム、欲しいー！」
「プリキュア のケーキ、食べたいー！」
を言い続けた娘。
あと一ヶ月で誕生日だとわかっているのか、アンパンマンクレーンゲームで遊ぶ同年代の子どもたちをYouTubeで見るたび、プリキュアケーキがテレビに写るたび、「欲しい！」「食べたい」を100パーセントの確率で言い続けた。
一度なだめるだけじゃ折れない。何度も何度も言い聞かせる。親子のやりとり、100回はやったんじゃないかな。
私はもっと実用的なものを買いたいし、ケーキなのに送料含めて4700円もするなんて、なんだかすごくもったいない。そんな大人の打算は、絶え間ない望みの連発に負ける。
娘が約1ヶ月に渡り、言い続けた望みは親の手により、叶うこととなる。
「わぁ！ おかあさん、ありがとう！」
「やったぁ！」
ふだんから大きな声にかわいいトーンを乗せて言われるとね。こっちも笑顔しかないよ。
あれからテレビでケーキを見たら、「ともちゃんのー」と満足そう。クレーンゲームは、YouTuberさんをマネて、「みなさん、こんにちは！」から始まる。
望みは叶うってこうゆうことか、と教えられる。行きたいところに一人で行けないし、お金を稼ぐ方法も知らない娘にとって、私たち親は希望を伝えたら叶えようとしてくれる神様なのかもしれない。
神様はいるんだろうな、と思う。ピンチのときは助けてくれるし、なんだかんだ幸せな人生だ。スイも甘いも、ほどよく経験させてくれて、最後はハッピーエンド。
あらためて気づく。ふとした瞬間に、何度も湧いた望みはすべて叶ってきた。結婚したい、子どもが欲しい、認めてほしい、たのしく過ごしたい。ぜんぶ、叶ってるのは100回以上望んだことか、最初から自分に制限をかけずにいること。
神様はそれを感じている。
娘が一度で諦めて、二度と口に出さなかったから私もケーキを注文するためにバンダイにお客様登録しなかったし、おじいちゃんとおばあちゃんに娘のほしいものを伝えなかった。
娘はただ、言っただけ。
「欲しい」
「食べたい」
方法は、誰かが考えてくれた。
すごいね、あなた。
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わかりやすくなりました！！ まだまだ途中経過なんだけど、いい感じなんでチラっと見てみてね！ 完成したらお知らせしまーす！
