まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

「障害のある子が天使だなんて、偽善よ」その心は⁈

 

「障害のある子が天使だなんて、偽善よ」

幼い頃に聞いた。そうなんだ、と心で感じた。一方で、そうなのかなと思った。

神さまは私に体験させた。

私は障害児の母になった。

障害児の対義語で使われる健常児。その子たちと比べたら、まだ歩けない、まだ話さない、まだごはんをひとりで食べられない、他にもあるけれどこれ以上並べるのはイヤだ。

だけど、不幸せとは言いたくない。

かといって、天使だとも言えない。

だって、さて、ごはんを食べようと思ったら泣き出すし、楽しみにしてた、おでかけ時だけ機嫌が悪くなるし、子育ては思い通りにならなくて、健常児だとか障害児だとかヌキにして、この子たちは天使だとは、むずがゆくて言えない。

天使ではないけれど、私の子だ。

この子たちは私の子です。

だから、私が育てます。

この子たちは、私の子です。

だから、大丈夫です。

それだけだ。

ままならない事も、あの時こうだったよぉと笑いにして話せるようになる日が、いつかくる。

いつか、が障害児の場合、見通しが立たなくて、くるかどうかもわからない不安に襲われるけれど、健常児なら、ある程度、ここまでやればあとはラクみたいな先人の歩いてきた道がある。その違いだ。

「障害のある子が天使だなんて、偽善よ」

どんな意図があったのだろう。

わからない。

障害児の母となっても、わからない。

だけど、ずっと心に引っかかっていた。

死ぬまで忘れないだろう。

死ぬときにわかるのだろうか。

誤解のないように補足しておくと、私の子たちが、私以外の人から天使だと言われるのは、ものすごおおおおく、うれしい。

 

子育てのおもうこと、いろいろマガジンにしてそろえてます!!