まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

書いて、読んでもらって、わかること。

関西熱視線NHKで作文をテーマにした番組をみた。

境の小学3年生の子どもたちが月に1度、作文を書き、先生方が行間を読み解き、選ばれた子供たちの作文ひとつについてクラスの全員で考え、意見を出しあう。

担当するのは、担任の女性の先生と非常勤講師の68歳の男性。どちらも、子どもの気持ちを汲み取ろうと真剣で、真摯で、あぁ、やっぱり書くことは素晴らしい。簡単な言葉だけど、そうなんだとご飯の手を止めて、食い入るようにみた。

何が素晴らしいかって、

  • 先生方の子どものことを考える姿勢・気持ち

  • 作文に真剣に向き合う子どもたち

  • 書いて、読み解いた後に子どもたちが成長する姿


あぁ、文章は誰かのためじゃなく、やっぱり自分のためで、一人では生きていけない自分のために、周りに自分のことをわかってもらうために書くんだなって。自分でもわからない自分のことを周りに押してもらうために書くんだなって。

あぁ、しかでてこないが見られてよかった。

ライティングスキルを困っている人に教えたいと、このところぼんやり悩んでいた。

うまく書ける方法はたくさんある。私が言わなくても、他の人が言ってる。

だから私はやっぱり、書くって自由でいいし、「行間」が大事なんだと思う。

なぜ、この言葉なのか、次に続く文章がなぜこれなのか、なぜ、なぜ、なぜを追いかけていく作業がすき。

文章の楽しみはそこしかない。

だから、なぜをすっ飛ばして、うまく書くとか、刺さるとか考えても、なぜがなければ伝わらない。

なぜ書くのか、なぜそのタイトルなのか、子どもたちは最初に何を書くかタイトルを決めるらしい。これも素晴らしい。いくつかタイトルの候補があれば、先生が声をかける。

友達とケンカした女の子が「頭の中」というタイトルを考えた。心の葛藤を書いていた。

絵が上手な女の子が「絵」というタイトルで、かわいいだけで済まされたくない脱皮の文章を書いていた。

タイトルだけで見たら、アウト。

でも、そんなことじゃない。

書く。向き合う。出す。見てもらう。感想をもらう。それについてまた思う。

単純だよね?

カンタンだよね?

コワい?

そうかもね。

だけど、この快感を知ってしまったら、きっと楽しくなる。深く知りたいと思う。