まいにちワンダーランド

~過去をはき出し光に変える毒出しエッセイ~森中あみ

文章に必要なのは正しさではなく、

文章を読むのはめんどくさい。

そのワケは、

読んで
わかるためには、

前のめりにならないといけないから。

寝転がって、
ポテトチップスを食べながら、
東野圭吾さんの推理小説は読めない。

たとえ、
寝転びながら読み始めたとしても、
犯人はだれだと考えているうちに、
体はもう、ソファに座っている。

それでこそ文章。

なのだが、

おもしろい推理小説ほどの
前のめりになる文章を書くためには
どうすればいいか。

それは、
正しさを捨てること。

読者は、
新聞や取扱説明書以外に正しさは求めない。

では、何が必要か。

それは「欲しい言葉」が書いてあるか。

本を読んでいて、
そうそう! とうれしくなる瞬間は、
キレイごとではない、
生のことばに出会ったとき。

商品やサービスを
ブログやSNSで紹介している私たちは、
自分の正しさではなく、
ほんとうの声を伝えてみよう。

自戒も込めて。